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2025.11.21 コラム
高断熱住宅で後悔しないエアコン選びのポイント
#エアコン選び#サーモオフ対策#住宅設計#快適な暮らし#換気計画#省エネ住宅#高断熱住宅
NEW 近年、断熱性能の高い住宅が増えてきました。「高断熱住宅」と聞くと快適な冬の暖かさをイメージしやすいですが、実は空調選びや設計次第で夏の快適さや電気代に大きく影響します。今回は、高断熱住宅に適したエアコンの選び方と、設計段階で押さえておきたい注意点について解説します。
1. 目安となる「帖数表記」はもはや過去の基準
家電量販店でよく見かける「6帖用」「8帖用」といったエアコン表記。実はこれ、1965年に定められた基準に基づくものです。当時はほぼ無断熱の住宅を想定しており、現代の断熱性能の高い住宅には大きすぎるエアコンが多いのが実情です。
たとえば20帖のLDKに20帖用エアコンを設置しても、能力をフルに活かすことは少なく、かえって無駄な電力消費につながる場合があります。
2. 高断熱住宅では冷暖房負荷計算が重要
高断熱住宅では、地域の気候や建物の断熱性能、日射の入り方、換気方法など様々な条件が絡みます。そのため、単純に「部屋の広さ=帖数」でエアコンを選ぶのはおすすめできません。
計算ができない場合の目安
国土交通省のガイドラインによれば、高断熱住宅ではカタログ表記の約2倍の広さまで1台で対応可能とされています。
例:20帖のLDK → 10帖用のエアコンでも十分対応可能
※ここでいう高断熱住宅とは、「断熱等級6以上」または「UA値0.46W/㎡・K以下」の住宅を指します。あくまで目安として、間取りや方位なども含めて住宅会社に相談しましょう。

3. 夏の湿度対策がカギ「サーモオフ問題」
高断熱住宅では、冬の暖かさは安定しやすい一方、夏の空調は少し厄介です。特に「温度は下がるけれど湿度が下がらない」という現象が起きやすく、これをサーモオフ問題と呼びます。
サーモオフとは?
冷房運転中に設定温度に到達すると、一旦エアコンが停止する現象です。送風モードになるため、空気は動くものの十分に冷やされず、除湿も止まってしまいます。高断熱住宅では室温が安定しやすいため、エアコンが停止している時間が長くなり、湿度が下がらない状態が続くのです。
3-1. 対策:再熱除湿エアコンの活用
再熱除湿エアコンは、空気をいったん冷やした後、再加熱して適温に保つ仕組みです。
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湿度を下げながら快適な温度を維持できる
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湿気が戻る現象も抑えられる
注意点として、通常のエアコンよりエネルギー消費が増えるため、電気代が気になる方は設置前に検討が必要です。
4. 設計段階で押さえておきたいポイント
高断熱住宅では、エアコンだけでなく設計時の工夫も快適さに直結します。
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日射取得のコントロール
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夏は外付けブラインドやすだれで日差しを遮る
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冬は取り入れたい場合は簡単に撤去できる工夫を
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全熱交換型換気の活用
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温度だけでなく湿度も調整

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空調への負荷を減らし、除湿器並みの効果も期待可能
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これらを組み合わせることで、エアコンだけに頼らず快適な室内環境を作れます。
5. まとめ
高断熱住宅では、従来の「帖数表記」のままエアコンを選ぶと、過剰能力や湿度調整の問題が起きる可能性があります。
ポイントは以下の通りです
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冷暖房負荷計算を行い、最適な能力のエアコンを選ぶ
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サーモオフ問題に注意し、必要に応じて再熱除湿エアコンを検討
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日射や換気も含めた設計段階の工夫で空調負荷を抑える
これらを踏まえ、高断熱住宅に合ったエアコン選びをすることで、快適な暮らしと省エネを両立できます。


