土地購入前に押さえておきたい「地盤改良」の基礎知識｜不動産買取専門店 共栄エステート

家を建てる際、多くの方は「立地」「間取り」「価格」といった目に見える部分に目を向けがちです。

しかし、長く安心して暮らすためには、建物を支える「地盤」の状態も見逃せません。地盤が弱いまま家を建てると、どれだけ堅牢な構造でも建物が傾いたり、壁にひびが入ったりするなど、深刻なトラブルにつながることがあります。

今回は、土地購入前や住宅建築前に知っておきたい「地盤改良」について、基本的な知識と注意点をわかりやすく解説します。

なぜ地盤改良が必要なのか？

住宅は建物そのものの強さだけでなく、それを支える地盤の強度も重要です。地盤が柔らかいまま家を建てると、「不同沈下（ふどうちんか）」と呼ばれる現象が起こることがあります。これは、家の一部だけが沈み込んでしまう現象で、ドアが閉まらない、窓が開かない、床が傾くといった日常生活への影響も少なくありません。しかも、補修には高額な費用がかかるケースもあります。

特に注意が必要な土地は以下のような場所です。

• もともと田んぼや畑だった土地

• 河川や埋立地の近く

• 周囲に傾いた建物が見られる地域

こうした土地では、建築前に「地盤調査」を行い、必要に応じて地盤改良を実施することが重要です。

地盤調査とは？

地盤調査とは、土地の地盤強度に問題がないかを確認するための検査です。代表的な方法として「スクリューウエイト貫入試験（SWS試験）」があります。これは、鉄の棒（ロッド）を回転させながら地面に挿し込み、地層の硬さを測定する方法です。

調査結果をもとに、建築基準に照らして「このまま家を建ててよいか」「補強が必要か」を判断します。調査自体は1日ほどで終わり、費用はおおよそ10万円前後です。

地盤改良の主な工法

地盤調査の結果、補強が必要と判断された場合には以下のような工法で地盤を強化します。

• 表層改良工法
  地面からおおよそ2メートルまでの土にセメント系固化材を混ぜ、地盤を固める方法です。浅い地盤に適しており、比較的低コストで施工可能です。

• 柱状改良工法
  地中に穴を掘り、柱状に固化材を流し込んで人工の「杭」を作る方法です。

• 鋼管杭工法
  より深くまで支える必要がある場合に採用されます。鋼製の管（パイル）を打ち込み、非常に柔らかい地盤や大型建築物にも対応可能です。

地盤改良の注意点

地盤改良は一度施工すると、その内部を後から確認することは難しくなります。そのため、最初の地盤調査と施工精度が、住宅の安定性を左右する大きなポイントです。

施工時には、以下の点を記録しておくことが望ましいです。

• どの工法で行ったか

• どの会社が施工したか

まとめ

地盤改良は「目に見えない部分」ですが、家づくりにおいて非常に重要な要素です。一度適切に改良しておけば、将来的なトラブルや修繕リスクを減らすことができ、長期的なコストの軽減にもつながります。

分譲地や注文住宅を検討する際には、ぜひ「地盤の状態」にも目を向けてください。そこには、ご家族が安心して暮らせる住まいづくりのヒントが隠れています。